Manji’s diary

アラフォー卍が伝えたいこと

値上げラッシュ、ついに100円ショップも!?


日本中に数多く存在する100円ショップですが、最近東京・銀座に大型100円ショップが登場というニュースがありました。連日報道されている急速な円安や原材料高騰ですが、100円ショップへの影響はどうなのでしょうか…

 

長期的なトレンドで見ると100円ショップは非常に活況で、帝国データバンクによると、市場規模は1兆円目前でコロナ前から800店舗も増えています。客単価も上がっていて、1人が1ヶ月に買い物をする金額は平均635円。10年前の390円の1.6倍になっています。何かモノを買う時にまず100円ショップを探す人は少なくないですし、ウロウロと商品棚をめぐるテーマパーク的な楽しさもあると思います。ただ、ここへきて逆風が吹いているのも確かです。100円ショップは中国や東南アジアから製品を輸入していますが、コロナ禍の供給制約による原材料高に加えて、20年ぶりの歴史的な円安で仕入れコストが上昇しています。ロシアのウクライナ侵攻の影響もあって、原材料高はさらに過熱しています。弱り目にたたり目のような状況になっています。

 

 

円安・原材料高騰だけが原因ではなかった

100円ショップが厳しい状況に置かれている原因として、一番大きいものは円安と原材料費の高騰なんですが、もう一つあるのが人件費です。店舗には結構アルバイトの店員さんもいらっしゃるが、最近人件費がジワジワと上がってきていて、これでコストが大きく上バレしてしまうということがあります。仕入れも上がってるし、しかも店舗にかかるコストも上がっているという二重の苦しみですね。それからもう一つ、電気代も結構大きくて、最近電気代がすごく値上がりしています。これは原油価格が上がってるからなんですが。こういった店舗はたくさんの照明を使いますので結構電気料金もばかにならない。こういった部分でも利益を圧迫するという構図があると思います。電気代の他に、店舗のあの冷房費暖房費、いわゆる光熱費が結構重くのしかかっていることでしょう。

 

 

またキャッシュレス決済への対応も負担になっていると言われています。消費者からすると便利でありがたいんですが、キャッシュレスを導入する100円ショップの側は手数料の負担をしないといけないわけです。では、諸々の負担どうするの?という話なんですが、300円や500円、場合によっては1000円の商品も上手に織り交ぜながら対応しているようです。100均では、1000円の1人用テントとかのアウトドアグッズが意外と充実しいますし、500円の電子メモパッドや1000円のワイヤレスイヤホンみたいなヒット商品も出ています。もはや全然100円「均一」ではないんです。利幅の薄い100円の商品でお客さんをたくさん集めて、いかに高価格帯の商品に目を留めて買ってもらうか、という世界になってきていると思います。

 

 

100円ショップは今の日本経済の象徴

100円ショップというのは、かなり以前から存在しているんですが、100円ショップが100円ショップのままで存在し続けてるっていうこと自体が、あまり正常な状態ではないことのようです。と言うのは、アメリカにも1ドルショップというものがあるんですが、ちょっと前までは50セントショップだったんです。その前は25セントショップでした。つまり順調に経済が成長している国というのは物価が順調に上がっていきますから、ある一定の単位の金額がずっと続くってことがないんです。日本がもし過去30年ちゃんと成長していれば、今頃100円ショップというのはなくなっていてもおかしくないということになります。ですので逆に言うと今でもまだ100円ショップがあるということは日本の経済が成長していなくて、物価も上がっておらず、さらに賃金も上がっていない、こういう現実や節約志向の日本人を象徴しているといえるでしょう。

 

100円ショップは個人的に大好きですし、デフレだからこそ成立してきたビジネスモデルとも言えると思います。コストプッシュ型のインフレ、悪いインフレの荒波にさらされるなかで、100円ショップも岐路に立たされているのかなと思います。今後100円の商品の割合が減っていく、あるいは150円ショップとかにシフトチェンジしていく可能性もありますが、もしそうなっても、うまい棒の値上げと一緒で「今までありがとう!」という気持ちで冷静に受け止めたいと思います。「安い=当たり前」「安い=正義」というデフレマインド自体が、過熱するインフレのなかで過去のものになっていくのかもしれないなぁと思います。